2026-09-250rangaxxNVIDIA GB10 。nvidia-smi の VRAM は [N/A] で、システム RAM と同一プールを共有する。離散 VRAM ではない

NVIDIA GB10(統合メモリ SoC)単体で Qwen3.8 Flash Next(MoE)を 262k コンテキストまで計測

Lenovo の Thinkstation PGX (DGX Spark互換機) NVIDIA GB10(Grace Blackwell、Arm CPU + GPU が統合メモリを共有する SoC)単体で、Qwen3.8 Flash Next(512 エキスパートの MoE、GGUF 80 GiB)を 262k コンテキストまで計測しました。 GPU と RAM が同一メモリプールのため、モデル重みの CPU オフロードが不要です。 結果は prefill 461〜557 t/s、decode 約 55〜57 t/s(MTP 投機的デコードあり)を 258k までほぼ一定に維持しました。 実プロンプトでは MTP の受理率が下がり decode は 32〜36 t/s です(補正係数 0.63)。

作成者
0rangaxx
作成日
2026-09-25
コンピュータ / マザーボード
Lenovo Thinkstation PGX(型番 30KLS01900)— NVIDIA GB10 (Grace Blackwell) SoC 搭載。/sys/class/dmi/id/product_name = 30KLS01900、board_name は INVALID
GPU
NVIDIA GB10 。nvidia-smi の VRAM は [N/A] で、システム RAM と同一プールを共有する。離散 VRAM ではない
モデル
Qwen3.8-Flash-Next-IQ3E-Q8D-MTP.gguf
バックエンド
0.5.0(7fe450e19)に llama-v0.5.0-clean-20260924.patch を当てたもの。qwen4exp 対応・MTP 投機的デコードを含む。CUDA バックエンド(CMAKE_CUDA_ARCHITECTURES=121、GB10 = sm_121)。バイナリの sha256 f7b71cb4… は run-info.json に記録
ベンチマーク
llama-split-bench

NVIDIA GB10(統合メモリ SoC)単体で Qwen3.8 Flash Next(MoE)を 262k コンテキストまで計測

  • 作成者: 0rangaxx
  • 作成日: 2026-09-25

概要

Lenovo の Thinkstation PGX (DGX Spark互換機) NVIDIA GB10(Grace Blackwell、Arm CPU + GPU が統合メモリを共有する SoC)単体で、Qwen3.8 Flash Next(512 エキスパートの MoE、GGUF 80 GiB)を 262k コンテキストまで計測しました。 GPU と RAM が同一メモリプールのため、モデル重みの CPU オフロードが不要です。 結果は prefill 461〜557 t/s、decode 約 55〜57 t/s(MTP 投機的デコードあり)を 258k までほぼ一定に維持しました。 実プロンプトでは MTP の受理率が下がり decode は 32〜36 t/s です(補正係数 0.63)。

ハードウェア

項目 内容
コンピュータ / マザーボード Lenovo Thinkstation PGX(型番 30KLS01900)— NVIDIA GB10 (Grace Blackwell) SoC 搭載。/sys/class/dmi/id/product_name = 30KLS01900、board_name は INVALID
GPU NVIDIA GB10(統合メモリ SoC)。nvidia-smi の VRAM は [N/A] で、システム RAM と同一プールを共有する。離散 VRAM ではない
GPU 接続 SoC 内蔵(nvidia-smi は PCIe Gen1 x1 を報告)。NVLink なし
CPU Arm aarch64、20 コア(Cortex-X925 + Cortex-A725 の構成。lscpu で両モデル名を確認)
メモリ 統合メモリ 128 GiB(free -h で 121 GiB 表示)。種類は不明
電源 不明

ソフトウェア環境

項目 内容
OS Ubuntu 24.04.4 LTS / Linux 6.17.0-1026-nvidia
GPU ドライバ 580.159.03(CUDA 13.0)
llama.cpp 0.5.0(7fe450e19)に llama-v0.5.0-clean-20260924.patch を当てたもの。qwen4exp 対応・MTP 投機的デコードを含む。CUDA バックエンド(CMAKE_CUDA_ARCHITECTURES=121、GB10 = sm_121)。バイナリの sha256 f7b71cb4… は run-info.json に記録

ベンチマーク

条件

項目 内容
ツール llama-split-bench 7af72d4(ローカル変更なし)
モデル Qwen3.8-Flash-Next-IQ3E-Q8D-MTP.gguf(pentacoxian-dev/Qwen3.8-Flash-Next-IQ3E-Q8D-MTP-GGUF、80.0 GiB。アーキテクチャ qwen4exp、512 エキスパート中 10 個がアクティブ。ルーティングされるエキスパートは UD-IQ3_XXS、密なテンソルと MTP ヘッドは Q8_0)
測定モード single(CUDA0 のみ)。GPU が 1 つのため layer / tensor は計測していません
ctx / stages 262144 / 0,32000,64000,128000,196000,258000
KV キャッシュ q8_0 / q8_0
投機的デコード --spec-type draft-mtp --spec-draft-n-max 3
その他 -fa on、-ngl all、--fit on --fit-target 512、-t 8 -tb 48、--batch-size 2048 --ubatch-size 512、--load-mode mmap、--reasoning off、生成 1000 トークン / 段(全引数は argv-single.txt)

結果

結果

depth ごとの prefill / decode(t/s)。depth 0 の prefill は新規プロンプト(pp2048)の値です。ラダー初段(11 トークン)の prefill は表に載せていません。

depth prefill (t/s) decode (t/s) MTP 受理率
0 662.0 54.7 92.6%
32k 551.3 56.8 97.4%
64k 556.7 56.9 97.1%
128k 529.6 56.4 97.6%
196k 492.8 55.5 97.1%
258k 460.9 54.8 97.4%

depth 0 の新規プロンプト prefill(t/s):

プロンプト長 single (t/s)
512 596.8
1978 662.0
8077 624.1

実プロンプト(3 種、temp 0.7 / top_p 0.9、1200 トークン生成)の decode は 32.5〜36.4 t/s、受理率 43〜54% で、ラダー depth 0 の合成テキストに対する補正係数は 0.63 です(図の薄い破線)。

プロンプト decode (t/s) MTP 受理率
design 36.4 54%
review 32.5 43%
qa 34.2 44%

所感

  • 統合メモリの GB10 単体で、80 GiB の MoE を CPU オフロードなしに 262k まで回せた。decode は 32k〜258k で 55〜57 t/s とほぼ一定、prefill も 64k の 557 t/s から 258k の 461 t/s へ約 17% 低下するだけで安定しています。
  • decode は MTP の受理率に強く依存します。合成テキスト(受理率約 97%)では約 56 t/s ですが、実プロンプトでは受理率 43〜54% で 32〜36 t/s に落ちます。
  • pentacoxian 氏の V100-SXM2-32GB × 2(layer 分割)の prefill 615〜738 / decode 約 98〜103 と比べると、本機は prefill でやや遅く、decode はその約半分です。ただし本機は離散 GPU 1 つ・統合メモリという構成であり、2 枚の VRAM を合わせた帯域とは条件が異なります。
  • nvidia-smi は SoC のため VRAM を [N/A] と返し、PCIe も Gen1 x1 を報告します。計測中の GPU 温度は 45〜69℃、消費電力は 26〜32 W(nvidia-smi の値)と低く、統合メモリ帯域がボトルネックになる領域ではなさそうです。
  • DGX互換機の強みは実質VRAM量と消費電力・冷却音の小ささにあると思います

添付